「レベニューマネジメントの勘違い」〜旅館がなすべき方法とは②最終回〜
本日は、「レベニューマネジメントの勘違い」〜旅館がなすべき方法とは①〜
に続きまして、最終回の第2回になります。
具体的に、どのように考えるべきかを
弊社なりにお伝え致します。
それでは!
まず「旅館」のレベニューマネジメントに必要なものは?
では、「旅館」や「リゾートホテル」ではどのようにレベニューマネジメントをするべきなのか?
ということになりますよね。
弊社が考える方法としまして、下記に集約されます。
①過去1年間(365日)分の部屋タイプごとの「売上」「人数」「室数」「RevPar」実績を抽出する。
(できれば、「客単価」「室単価」も出しておくと良い。)
②目標予算を「上記過去実績」をもとに、デイリーで割り振る
この2つの準備が整い、初めて「レベニューマネジメント」を実施できるということになります。
弊社ではこのように「帳票」を作っています。
しかし、ここで大きな問題が・・・
残念ながら、多くのホテル様にて導入している「ホテルシステム」では
デイリーの実績が出せるところは非常に少ないです。
弊社がコンサルティング業務に携わる場合、契約内容にもよりますが
少なくとも過去365日分の部屋タイプごとの実績を頂きたい旨お伝えしても
出せるホテル様は、1割にも満たない状況です。
(365日分の実績を出すのは可能だが、365回検索する必要があるとおっしゃるホテル様も多いです。)
私が誤解を恐れずお伝えした「数字のお遊びをしている」という言葉はこの理由です。
つまり、過去の需要予測をもとに、売上最大化をするために「レベニューマネジメント」をするわけですが
過去365日分の実績がわからないのに、なぜレベニューマネジメントができるのか?ということです。
なぜ365日分のデータが必要なのかを、もう少し具体的にご説明します
弊社の「帳票」でも記載しています通り、
「旅館」「リゾートホテル」の場合、「平日」と「休前日」で稼働率が大きく異なります。
場合によっては、稼働率が50%変わることもあるでしょう。
となりますと、デイリーかつ詳細に「レベニューマネジメント」を設計する必要があります。
(ビジネスホテルのように、毎日稼働率が80%以上を超えるようなことがないため)
では、「失敗例」をもとに、もう少し具体的にご説明します。
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<例>わかりやすいように、シンプルな例にします。
ホテル総客室数:100室 ホテル形態:リゾートホテル
2020年1月10日(金)
目標室数:80室(稼働率80%)
目標客単価:10,000円
この目標のため、下記のように設定するとします。
8,000円:16室
9,000円:16室
10,000円:24室
11,000円:8室
12,000円:8室
13,000円:8室
合計:80室 平均客単価:10,000円
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実際に上記をもとに、集客してみると・・・下記で終わってしまいました。
<結果>
8,000円:16室
9,000円:16室
10,000円:28室
合計:60室 平均客単価:9,200円
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この失敗の教訓は、「過去の実績」をもとに、計画がなされていないことです。
調べてみると、実は・・・
2019年1月11日(金)の稼働率は、55%でした。
昨年55%の稼働率の日程を、今年は「稼働率80%」を目標にすることがダメだということです。
ゆえに、「平日」「休前日」で大幅に稼働率が変わる「旅館」「リゾートホテル」では
少なくとも過去365日分かつ客室タイプごとにデータが必要となるということです。
まず取り組むべきことのまとめ+最後に大事なこと
ここまでくると、もうお分かりでしょうか?
今後取り組まなければいけないことが見えてくると思います。
繰り返しになりますが・・・
「旅館」「リゾートホテル」がまず取り組むべきこと
①過去1年間(365日)分の部屋タイプごとの「売上」「人数」「室数」「RevPar」実績を抽出する。
②目標予算を「上記過去実績」をもとに、デイリーで割り振る
③365日分の「単価ごとの積上げ室数」の青写真を描く
(青写真もなく、レベニューマネジメントができるでしょうか?それは勘ピューターです。)
最後に大事なことですが、上記3つに加えて、
④「競合との価格差」をチェックする
ということが大変重要になります。
つまり
「自分たちの計画」+「競合価格チェック」の両方をもって
「レベニューマネジメント」ということだと弊社は考えます。
あまりにも「競合価格チェック+料金調整」が
レベニューマネジメントであると勘違いしているホテルが多いと思うのは
私だけでしょうか・・・
本日はここまで。
最後までご覧いただきありがとうございました。
誤解を与え、ご不快に思われた方がいらっしゃれば
ご容赦くださいませ。失礼致しました。