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「レベニューマネジメントの勘違い」〜旅館がなすべき方法とは②最終回〜

本日は、「レベニューマネジメントの勘違い」〜旅館がなすべき方法とは①〜

に続きまして、最終回の第2回になります。

 

具体的に、どのように考えるべきかを

弊社なりにお伝え致します。

 

それでは!

 


まず「旅館」のレベニューマネジメントに必要なものは?


 

では、「旅館」や「リゾートホテル」ではどのようにレベニューマネジメントをするべきなのか?

ということになりますよね。

 

弊社が考える方法としまして、下記に集約されます。

①過去1年間(365日)分の部屋タイプごとの「売上」「人数」「室数」「RevPar」実績を抽出する。

(できれば、「客単価」「室単価」も出しておくと良い。)

②目標予算を「上記過去実績」をもとに、デイリーで割り振る

 

この2つの準備が整い、初めて「レベニューマネジメント」を実施できるということになります。

 

弊社ではこのように「帳票」を作っています。

スクリーンショット 2020-03-13 8.31.18

 

 


しかし、ここで大きな問題が・・・


 

残念ながら、多くのホテル様にて導入している「ホテルシステム」では

デイリーの実績が出せるところは非常に少ないです。

 

弊社がコンサルティング業務に携わる場合、契約内容にもよりますが

少なくとも過去365日分の部屋タイプごとの実績を頂きたい旨お伝えしても

出せるホテル様は、1割にも満たない状況です。

(365日分の実績を出すのは可能だが、365回検索する必要があるとおっしゃるホテル様も多いです。)

 

私が誤解を恐れずお伝えした「数字のお遊びをしている」という言葉はこの理由です。

 

つまり、過去の需要予測をもとに、売上最大化をするために「レベニューマネジメント」をするわけですが

過去365日分の実績がわからないのに、なぜレベニューマネジメントができるのか?ということです。

 


なぜ365日分のデータが必要なのかを、もう少し具体的にご説明します


 

弊社の「帳票」でも記載しています通り、

「旅館」「リゾートホテル」の場合、「平日」と「休前日」で稼働率が大きく異なります。

場合によっては、稼働率が50%変わることもあるでしょう。

 

となりますと、デイリーかつ詳細に「レベニューマネジメント」を設計する必要があります。

(ビジネスホテルのように、毎日稼働率が80%以上を超えるようなことがないため)

 

では、「失敗例」をもとに、もう少し具体的にご説明します。

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<例>わかりやすいように、シンプルな例にします。

ホテル総客室数:100室 ホテル形態:リゾートホテル

2020年1月10日(金)

目標室数:80室(稼働率80%)

目標客単価:10,000円

 

この目標のため、下記のように設定するとします。

8,000円:16室

9,000円:16室

10,000円:24室

11,000円:8室

12,000円:8室

13,000円:8室

合計:80室 平均客単価:10,000円

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実際に上記をもとに、集客してみると・・・下記で終わってしまいました。

<結果>

8,000円:16室

9,000円:16室

10,000円:28室

合計:60室 平均客単価:9,200円

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この失敗の教訓は、「過去の実績」をもとに、計画がなされていないことです。

調べてみると、実は・・・

2019年1月11日(金)の稼働率は、55%でした。

昨年55%の稼働率の日程を、今年は「稼働率80%」を目標にすることがダメだということです。

 

ゆえに、「平日」「休前日」で大幅に稼働率が変わる「旅館」「リゾートホテル」では

少なくとも過去365日分かつ客室タイプごとにデータが必要となるということです。

 


まず取り組むべきことのまとめ+最後に大事なこと


 

ここまでくると、もうお分かりでしょうか?

今後取り組まなければいけないことが見えてくると思います。

 

繰り返しになりますが・・・

「旅館」「リゾートホテル」がまず取り組むべきこと

①過去1年間(365日)分の部屋タイプごとの「売上」「人数」「室数」「RevPar」実績を抽出する。

②目標予算を「上記過去実績」をもとに、デイリーで割り振る

③365日分の「単価ごとの積上げ室数」の青写真を描く

(青写真もなく、レベニューマネジメントができるでしょうか?それは勘ピューターです。)

 

最後に大事なことですが、上記3つに加えて、

④「競合との価格差」をチェックする

 

ということが大変重要になります。

 

つまり

「自分たちの計画」+「競合価格チェック」の両方をもって

「レベニューマネジメント」ということだと弊社は考えます。

 

あまりにも「競合価格チェック+料金調整」

レベニューマネジメントであると勘違いしているホテルが多いと思うのは

私だけでしょうか・・・

 


 

本日はここまで。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

誤解を与え、ご不快に思われた方がいらっしゃれば

ご容赦くださいませ。失礼致しました。

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